仕事でもプライベートでも、
何かしらの「決断」を求められるシーンは、多々ある。
そういった場面で、
何となく「勘」で判断するのではなく、
数学(確率)的根拠に基づくことで、
多少は判断の選択肢の幅が広がるのではないか、
というのがこの本の趣旨。
この本で紹介している数学(確率)的根拠とは、
・期待値基準
・マックスミン基準
・マックスマックス基準
・サベージ基準
の4種類で、それぞれについて具体例を挙げながら、
明瞭簡潔に説明し、
さらにそれらの枠に収まらない「サプライズ」要素についてや、
「アップデイティング」についても解説をしている。
僕は量子論の波動関数みたいに、
世の中すべての事象が確率に基づいている、とまでは言わないが、
日々直面するかなりのシーンにおいて、
確率的な思考が判断なり解決を与えてくれると思っているわけで、
そのような考え方の初歩から学ぶことができるこの本は、
個人的には大変参考になった。
でも、結局は生物の進化と同じで、
ルールに従うものはそれでよいのだが、
問題となるのは、
進化でいうところの突然変異に相当する「サプライズ要素」、
競馬にたとえるならば、
出走する18頭が勝つ確率はそれぞれ1/18ではなく、
そのときの調子や実力によって、だいぶ異なるわけで、
(それを反映しているのが単勝オッズ)
でも、おそらく勝つだろうと思っている馬(単勝1~3番人気)が勝たずに、
17、18番人気が勝つという、
それがまさに「サプライズ」。
ギャンブルも然り、進化も然り、人生も然り、
すべてがルール通りに処理されては面白みがないわけで、
結局は予測不可能な「サプライズ」をどれだけ許容し楽しめるかが、
世の中を上手く渡るための処世術なんだな、と実感した。