映画「背徳の囁き」

もう30年も前の作品で、
原題は「Internal Affairs(インターナル・アフェア)」。

「インターナル・アフェア」といえば、
あのスコセッシ監督でディカプリオが演じた、
『ディパーテッド』の元ネタである、
トニー・レオン主演の香港映画かと思ったら、
あれは『インファナル・アフェア』。

どうも紛らわしい。

さて、
「Internal Affairs(インターナル・アフェア)」とは、
警察の内務調査班(IAD)であり、

要するに、ハリウッド作品でよくネタになる、
警察内部の腐敗を暴く役回りのこと。

女たらしで悪事を働く警官役にリチャード・ギア、
その悪事を暴くIAD役がアンディ・ガルシア。

今ではどちらも映画界の大御所であるが、
二人ともとにかく若い!

とくにアンディ・ガルシアの青臭い演技は、
好き嫌いが分かれそう。

一方のリチャード・ギアの方は、
女たらしの役を演じさせたら、
おそらくハリウッド史上5本の指に入るのだろうが、

本作品中でもその本領を如何なく発揮しているものの、
肝心の悪事の方が、
見た目の印象もあって、どうもしっくりこない。

作品的には、彼が演じる悪役警官に、
もっと悪事を働かせることが重要だと思うんだけど、

単なる女好きのチンピラぐらいにしか見えないのが、
この映画唯一の失敗かな・・・。

悪徳警官というよりも、
スケベ警官という印象しか残らないのが勿体ない。

リチャード・ギア主演じゃなければ、
たぶん成り立たない作品ではあるものの、

よくある警官モノを真正面から描いたという意味で、
良くも悪しくも、ハリウッドのステレオタイプ的作品。

適正価格(劇場換算):1,500円