「宇宙から恐怖がやってくる! ~地球滅亡9つのシナリオ」(フィリップ ・ プレイト)

タイトルはトンデモ本ぽいが、
かなり正統な科学の本。

「disaster」(災害)という単語は、
「star」(星)を語源としているという。

つまり昔の人にとって、
災害とは空の向こうからやってくるものであった。

そのような災害のうち、

小惑星衝突
太陽フレア
超新星爆発
ガンマ線バースト
ブラックホール接近
エイリアン襲来
太陽の死
銀河の破局
宇宙の死

といったトピックを取り上げて、
これらが地球に害を及ぼす可能性はどれぐらいあるのか、

そしてその場合、
具体的にはどのような被害が想定されるのか、

について語られている。

これらのトピックを語るには、
宇宙の始まりから終わりまでにおける、

天体物理学や量子論、宇宙生物学などの、
幅広い科学の知識が必要とされるため、

とっつきやすいテーマである反面、
内容としてはかなりハードでもある。

ただし、地球に起こりうるかもしれない災害という、
我々が無関心ではいられないテーマによって、
最先端の科学知識を学べることは、
有意義なことであると思う。

上記の出来事のうちのひとつ、
「超新星爆発」については、

オリオン座のベテルギウスにその兆候があるとされていたが、
つい最近、どうやら「持ちこたえた」らしく、
残念ながら、それを目撃するチャンスは逸してしまった。
(ちなみに、ベテルギウスが爆発しても、
遠すぎるため地球に被害はないので、念のため。)

超新星爆発以外でいうと、
「太陽フレア」については、
(規模にもよるが)それほど心配の必要はないかもしれないが、

それ以外のものは、いざ「目撃」したとなったら、
かなりの被害を被るか、
あるいは、目撃と同時に命を奪われる可能性もある。

ただ我々が一生の間に、
これらの事象に遭遇する確率は極めて低く、
宇宙のあまりの大きさに感謝したい気持ちになる。