別に盗作だけに限らず、
本取りや添削、あるいはパロディをも含めて、
ある文章(または詩歌)に似た、
別の文章(または詩歌)が存在している場合、
後者はどのような言語感覚、意識のもとで為されたものなのか、
を探るのが本書の主旨である。
作品を正面から捉えるのではなく、
その鏡像ともいえる別の作品と比較することで、
特徴や作者の意図に迫ろうとする試みは、
なかなか新鮮であった。
ただ、若干特定の作家に偏り過ぎていた感もあったので、
できればもう少し多くのサンプルを見たい気もしたが、
まぁ、新書ということを考えれば、十分だろう。