西村 京太郎 作「名探偵が多すぎる」(講談社文庫
鉄道ミステリーで有名な作者だが、
これは別府へ向かう客船が舞台。

しかも、
明智小五郎、エラリー・クイーン、
エルキュール・ポアロ、ジュール・メグレ、
という、

(フィクション界での)名探偵4人に、
アルセーヌ・ルパン、怪人二十面相といった、

こちらも(フィクション界での)名怪盗がタッグを組んで、
知恵比べを挑む、というストーリー。

密室トリックが2つもあるという点に惹かれて、
この作品を読んだわけなのだが、

うーーーん、
肝心のその密室も中途半端だし、

確かにディテールでは、
名探偵vs名怪盗という対決を楽しめるのだけれども、

全体のフレームとしては、
正直、イマイチと言わざるを得ない。

一番のマイナスポイントとしては、
読者的には名探偵vs名怪盗の対決を、
純粋に楽しみたかったのに、

途中で蛇足ともいえる、
殺人事件が挿入されたことで、

折角の対決の雰囲気が、
台無しになってしまったこと。

要するに、
この思い切った配役(?)がなければ、
何の面白味もない作品なのかな。。。

消化不良でした。