2021年のUS映画。
おなじみナイト・シャマラン監督による、
閉塞感、不条理感満載のサスペンス・スリラー。
僕も若い頃は、
シャマランなんて、、、
と思っていた時期もあったけれども、
頭も体もすっかり丸くなった今では、
こういうブラックユーモア溢れる作品を、
ファンタジーとして楽しむに越したことはない、
と思うようになった。
ざっとストーリーは下記の通り。
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高級リゾートの訪れた4人家族。
テンションアゲアゲ↑のまま、
ホテルが用意したプライベートビーチへ。
だがそこは、
1時間で2年が経過するという、
恐ろしい場所。
他の2家族と共に、
脱出を試みるが、
子供たちは成長するし、
大人は歳を取るし、
精神異常を発症する者もいるし、
さて大変、
どうしたもんでしょう。
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「瞬間で歳をとる」というのは、
『浦島太郎』にもあるような、
誰もが思いつくテーマなのだけれど、
それを敢えて、
高級リゾートという、
非日常の空間にぶっこんでくるあたりが、
シャマランさん、
さすがじゃないですか。
そんな日常とかけ離れた、
時間・空間のファンタジーに、
浸かるだけでも十分なわけだが、
敢えてこの作品に、
形而上的な意味を求めるのならば、
「時間とは何か、
歳を取るとはどういうことか」
ってことなんでしょうねぇ。
仕事に没頭したまま、
気づいたら歳を取ってた、
というのは、
極論を言えば、
この映画のビーチと同じわけですし。
1時間で2年、
というのはあり得ない気もするのだけれど、
案外我々は、
過労やらストレスやらで、
それぐらい寿命を削っているのかもしれませんよ。
ただ難癖を付けるのならば、
シャマランさんにありがちな、
蛇足的というか、
シラケてしまうような描写もあって、
うーーん、
それをやめてシリアスに仕上げるべきなのか、
でもシャマランだから、
ブラック・ユーモアにできた、
と捉えるのかは、
評価が分かれるのかもしれない。
適正価格(劇場換算):1,600円