1999年、仏・西・米のスリラー映画。
『ローズマリーの赤ちゃん』のような、
ポランスキー監督の悪魔的世界観の作品で、
謎解き要素もあるし、
古いながらも今でも十分楽しめる。
ジョニー・デップ演じる古書の専門家が、
とある人物が所有する、
世界に3冊しか現存しない本について、
残りの2冊と実際に比較することで、
どれが本物なのかを鑑定してほしい、
という依頼を受ける。
その本の秘密を解くと、
悪魔が出現するとかの、
曰くつきの本なのだが、
果たして調査を進めるうちに、
奇妙な出来事に巻き込まれてゆく。
ラストは若干、
投げっ放し感があるのを否めないが、
3か国(?)を舞台にして、
じっくりと展開されるオカルト的ストーリーが、
なんともゾクゾクするし、
ジョニー・デップの演技も、
なかなかハマっている。
「金こそすべて」という、
現実主義者の主人公が、
オカルトと迷信の世界に、
知らず知らず足を踏み入れていくのが、
観ている者に、
共感を呼び起こすのだろう。
ラストシーンに登場する廃城は、
フランス南西部のピュイヴェール城というらしいが、
美しく頽廃的な雰囲気を醸し出していて、
この作品の最後の舞台としてふさわしい。
適正価格(劇場換算):2,200円