評判だったのと、
タイトルに惹かれ、
さらに事典好きが重なり、
3万円近く奮発して、
買ってみた。
項目として挙げられているのは、
ほぼすべて、
「名詞」(オブジェクト)であって、
そのオブジェクトが、
古今東西の文学作品において、
どのように用いられているかを、
実際の作品のフレーズとともに、
紹介している。
例えば、「酒」の項目を見てみると、
「1.酒を用いて怪物を倒す」とあり、
『古事記』『捜神記』の例が、
挙げられている。
次には、
「2.酒宴の席で敵を倒す」として、
『源氏物語(若菜・下)』(この例が適切かは微妙)
『日本書記』の例が挙げられる、
といった具合で、その他、
「酒は国を滅ぼす」
「酒は人間を堕落させる」
「夫に隠れて飲酒した女たち」
「アルコール依存症」
「酒の起源」
・・・・・
・・・・
などなど。
何か気になるワードがあって、
それがどのように、
文学作品で表現されているか、
を調べられるという、
読書好きには魅力的な事典ではあるが、
気になるのが、どのようにして、
これらの「項目」を選定したのか、
ということ。
たとえば、
数々の文学作品の舞台になっているだろう、
「駅」という項目はない。
また、「寺」「神社」「教会」
といった項目もない。
「酒」はあるが、
「ワイン」や「ウィスキー」はないなど、
国語辞典や古語辞典と違って、
網羅性を目指していないのは、
理解しているものの、
やはり項目の選定基準は、
大いに気になるところではある。