まず前提として、
僕は、この映画の原作者である、
東野圭吾という人の作品を、
ひとつも読んだことがない。
ただ、この、
「ある閉ざされた雪の山荘で」
という作品は、
いわゆる「クローズドサークル」の、
ミステリーだということは知っていて、
Kindle化されたら、
読もうと思っていた。
でも、先に映画化されたと知って、
観てみたというわけ。
どこまでが原作通りなのかは、
まったく知らないのだが、
クリスティ女史の、
「そして誰もいなくなった」
をオマージュしながら、
人間臭さをベースとした、
ドンデン返しを仕掛ける構成は、
キライじゃない。
しかも、
嫉妬や羨望が渦巻く(?)、
劇団の役者たちが、
登場人物という設定が、
絶妙な緊張感を、
生んでいたんじゃないかな。
途中で何度か描写される、
部屋の見取り図は、
いかにもミステリー小説風ではあるけれど、
でも実は全然意味がなくて、
なので、
本格ミステリーに慣れてる人には、
肩透かし的な作品かもしれないけれど、
役者がぼそぼそ喋って、
何言ってるか分からない所も含め、
いかにも日本映画的な、
まぁまぁかなぁ、
といったところ。
重岡大毅、森川葵という役者が、
まずまずの熱演だったけれど、
他はまぁ、
大学生の演劇サークルレベル。
もう少し設定に緊張感があれば、
なお良かったかなぁ。
適正価格(劇場換算):1,500円