最近ではほぼ東京メトロしか乗らないので、
他の鉄道会社では分からないが、
「携帯電話やスマートフォン、ゲーム機器などを操作しながらの『ながら歩き』はおやめください」
というアナウンスがやたらと気になる。
わざわざそんなことを注意しなくてはならないとは、
日本人は何と幼稚なのかと思う一方で、
果たして「ながら歩き」という言葉を敢えて使う必要があるのかと、
そっちの方が気になって仕方がない。
じゃあ、友人と隣同士でしゃべりながら歩いていても「ながら歩き」なのか、
頭の中で、あー今日は何の酒を飲もうか・・と考えながら歩いても「ながら歩き」なのか、
おそらくメトロ側の言い分としては、
それをしながら歩くと危険になるようなことが「ながら歩き」なのです、
ということなのだろうが、
そんないちいち定義がややこしくなるような造語ならば、
使わないに越したことはない。
個人的に、造語自体をイヤとは思わないし、
中には必要なものもあるのは理解できるが、
この「ながら歩き」みたいな例は、なくても結構、
だってフツーに「携帯やゲームを見ながらホームを歩くなよ」と言えばいい。
細かい話をすれば、「携帯電話やスマートフォン・・」という風に言い直す必要もない。
話のついでにもうひとつ文句めいたことを言うならば、
先日、朝の通勤時の車内アナウンスで、こんなのがあった。
「現在、車内は冷房を使用しております。一両目は送風にしておりますので、あわせてご利用ください」
「あわせてご利用ください」とはなんだろう。
例えば食堂車を連結しているような列車で、
「食堂車もあわせてご利用ください」というのなら、分かる。
通常は客車にいて、腹が減ったり一杯やりたくなったら食堂車にいく、
そういう使い分けをすればいいのだから、
それは「あわせて利用する」という表現で正しい。
しかし今回の場合のように、
せいぜい数十分しから乗らない、しかも戦場のような通勤電車において、
「別の車両もありますから、あわせてどうぞ」というのは、
何ともKYというか、
そんないちいち車両を替える余裕なんてねぇんだよ!というこちらの気持ちが、
まるで分かっていない。
単に「一両目は、送風にしております」でいいし、
なんならいちいちエアコンの話など、せんでもよろしい。
ただでさえ、車内アナウンスはうるさくてしょうがないので。
なんか東京メトロに対する愚痴みたいになってしまったが、
さてここからどうやって、酒の話につなげるのだったか・・・
そうそう、「ながら歩き」で思い出したのだけれども、
酒というのは、基本「ながら飲み」である。
何も食わず、何もせず、ただひたすら酒を飲むという行為は、
酒好きの哀れな末路であって、
そうなってしまっては、旨いもマズイもなくなってしまう。
酒というのは、「ながら飲み」を前提としているものであり、
「ながら飲み」で旨いのが、やはり旨い酒ということになる。
ということで、山形県にある加藤嘉八郎酒造の「大山(おおやま) 特別純米酒」は、
普通にスーパーで手に入る手ごろな酒の中では、かなり旨い部類に入る。
どんな食事にも合うし、
辛口でありながら、余韻がマイルドであるため、
家族や友人とおしゃべりをしながらでも、
辛辣トークにならずに穏やかな「ながら飲み」ができることだろう。
あ、もちろん酒を飲みながらホームを歩く「ながら歩き」は、
もってのほかなので、オススメしない。