元妻の主催するパーティに呼ばれた、主人公とその彼女。
そこには昔の仲間を含め、10人が参加しているのだが、
何か雰囲気がおかしい。
皆が酒に酔い楽しむ中、主人公だけは冷静に警戒を続ける。
そして事件は起こる・・・。
スプラッターやビックリ要素に頼ることなく、
じわじわとした恐怖を表現しているという意味では、個人的に評価できる。
スタートから3分の2ぐらいまでは、
「何か起きるかもしれない」「でも、やっぱりそうでもない」という雰囲気が、
絶妙なバランスで混ぜられていて、結構ワクワク・ドキドキする。
でも、ラスト3分の1、「ホラ、やっぱり!」という事件が勃発するのが唐突すぎ、
かつ、その後のグダグダ展開はいかにもチープなスリラーで、
前半の良かった雰囲気を、よくもここまでブチ壊せるのかという(笑)、
この映画の投げ槍っぷりに呆然・唖然。
いっそのこと、最後のドタバタ劇を描かず、
何も起きないまま、ラストシーンの「赤いランタンによる不気味な暗示」だけを残して、
モヤモヤしたまま終われば、
そこそこの作品になれた気がする。勿体ない。
描くべきものを描かないのはもちろんだけれど、
描かなくてよいものまで描いてしまうのも、
その作品をB級以下に落としてしまう要因となりうることを実感した。
適正価格(劇場換算):800円