泡盛「龍」(金武酒造)

 

気が付いたら8月も終わり、セミの合唱もだいぶ寂しくなってきた。

今年の夏は暑い、と言われていたものの、どうもそうではなかったらしく、
その裏付けを取るために、

その日の最高気温マイナス30℃

を日毎に算出し、その平均値を取ってみることにした。

例えば、その日の最高気温が35℃であれば「5」。
-27.5℃であれば「-2.5」。

閾値を「30」にしたのは、
何となく30℃というのが、「今日は暑ちぃな~」と感じるラインだと思ったからで、
別に深い意味はない。

さて、上記の計算をすると、今年の8月は、「0.38」。

2016年は「1.61」、2015年は「0.54」だから、
なるほど今年の8月は、「例年に比べて暑くなかった」と言っても問題はあるまい。

とはいえ、最高気温が37℃の日もあったりして、夏は夏。

暑い日の晩飯時は、一杯目はビールだとしても次が迷う。

当方は日本酒を冷(ひや)で飲むのが好まないので、
それ以外の選択肢となると、

白ワイン、焼酎(ロック)、泡盛(ロック)

のいずれかとなるのだが、
ワインはコスパがよろしくないので除外するとして、
焼酎か、泡盛か。

普段どちらも飲み慣れないので、
ここで語るほどの薀蓄はまったくないのだけれど、

このたび、沖縄出張に行った同僚からお土産でいただいた、

金武酒造の「龍」

という泡盛が、この上なく旨かったので書き留めておこうと思ったわけ。

とにかくマイルド。
とにかく、マイルド。
とにかくマ、イルド。

大事なことなので、3回言いました。

泡盛というと、きつい、強い、というイメージを持たれる方もいるかもしれないけれど、
この「龍」にはそんな偏見はご無用。

ストレートで飲んでも苦にならないぐらい、
最初も、後味も、実に滑らかで優しい。

酒というものは、基本、ストレートで飲むものだと思っていて、
もしストレートで飲めない酒があるのなら、
それをロックにしたり割ったりしてまで飲もうとするのは、
本末転倒なのではなかろうか。

だから、優秀な蒸留酒というのは、

「いかにしてストレートで飲んでもらえるようにするか」

をモットーにするべきであり、
その意味では、ブランデーやスコッチ、バーボンというのは、
実に洗練されている。

一方、我が国の蒸留酒の筆頭である焼酎は、
甲類は言うに及ばず、乙類にしても、
ストレートで楽しむ人の割合は、そうでない人に比べて低いのではないだろうか。

ましてや、クセの強い泡盛である。

僕も若い頃は、ずいぶん粋がってストレートで飲んだりしていたけれど、
ある時期を境に、それもキツくなった。

それは良い泡盛に出会えていなかったせいもあるかもしれないが、
いや、それはまさにその通りで、

最初からこの「龍」を知っていれば、
僕のリカーライフは、また変わっていたかもしれない。

何だか大袈裟で宣伝のようになってしまったが、
とまぁ、力説する価値のあるぐらい美味い泡盛である。

今回飲んだのが一般酒で、他にもまだ種類があるようなので、
取り寄せてみようと思う。