程度の差こそあれ、歴史に名を残すほどの人物であれば、
ジャンルを問わず、一般人には理解できない一面を持っている場合が多い。
その中でも、特に著名な科学者にターゲットを絞って、
面白エピソードを探ろうというのが、本書である。
各ターゲットごと、必ず「男女関係がどうだったか」について触れられるため、
雑誌感覚で流し読みするにはちょうどよい。
なかでも、アインシュタインの女性関係にだらしなさすぎるエピソードや、
ボーア、シュレーディンガー、パウリ、ハイゼンベルクといった、
量子力学に貢献のあった科学者たちの私生活のあれこれは、
おそらく時代が新しいので資料が多く残っていることもあり、
生々しく興味深かった。
ただこの本には、たとえば「行列力学」がどういうものであるか、
といった説明は皆無なので、
より楽しむためには、科学や数学に関する一通りの知識があった方がよさそうではある。