出雲大社での滞在時間が、
予定より2時間ほどオーバーしたため、
この後行く予定だった松江城は明日の朝とし、
ちょうど宍道湖の夕陽が見れそうな時間なので、
そっちに集中しよう、
と思いながら、一畑電車に乗り込む。
出雲大社から終点の松江しんじ湖温泉までは、
宍道湖の北岸を1時間強。
車内には、やはりこのコが鎮座してた。
途中、一畑口駅で、
珍しい平地でのスイッチバックを経験し、
傾いてきた陽を車窓から眺める。
これはこれで美しかったのだが、
この後、さらなる絶景を目にすることになる。
いよいよ、今夜の宿がある松江しんじ湖温泉駅に到着。
JR松江駅がある中心街からは車で15分ほど、
湖畔の温泉街という最高のロケーションである。
宿にチェックインし、
湖側の部屋だったのだけれど、夕陽はギリギリ見えず、
目の前の湖岸へ降りる。
海ではなく湖、
しかも山などの視界を遮るものがない落日というものは、
かくまで美しいものかと、
寒さも忘れオレンジ色の湖畔に佇み、しばし見惚れる。
東方を望めば、遠く伯耆富士、大山が。
松江城に行っていたら、
もしかしたらこの景色には間に合わなかったかも、と思うと、
大社に引き留めてくれたオオクニヌシに感謝したい。
近くの足湯で疲れを癒してから、
バスで松江市街地へ。
温泉地というと何となく和食、というイメージだが、
それは前日の宿の食事で十分だろうということで、
あらかじめ予約しておいた、スペイン料理のCharoという店へ。
大通りからちょっと入った処にある小さな店だけれども、
地元の食材を使った料理が自慢だそうだ。
18時前に着いたのでまだ誰もいない店内。
昨日、一人でワイン一本を空けているので、
やや気が咎め、
まずはグラスの白と鰆のカルパッチョ風。
次にピーマンを使ったスペインの家庭料理風のものと、
グラスの赤。
もう止まらなくなり、結局、赤のカラフェを。
鳥取産の本州鹿(子鹿)のグリルだそうだが、
エゾジカ以外の鹿は初めて食べたかも。
臭みもクセもまったくなく、
まるで牛肉を食べているかのよう。
そして〆は、この蟹を丸ごと使ったパエリア。
甲羅の中に詰まったカニ味噌だか卵を、
米に混ぜることで最高の風味となり、
ワインが進む進む。
山の幸も海の幸も、
そして湖にはシジミもいて、
松江という街は何と最高なんだろうと思いながら、
夜は更けてゆく。
そういえば、この日の昼食は、
ちゃんと出雲名物の出雲そばを、
大社の近くでいただいたことを書き留めておこう。