これも、正月に実家から強奪してきた酒。
福岡県朝倉市にある「篠﨑」という蔵元の麦焼酎なのだが、
解説によれば、どうもこの色と風味を出すためには、
製法上、「焼酎」という規定から外れざるを得ず、
厳密には「リキュール」に分類されるとのことで、
なるほど、ボトルの裏にもはっきりと「リキュール」と書かれている。
味については、
アマゾンや楽天ではほとんどのレビュワーが、
「ウィスキーのよう」と形容しているのだけれど、
ちょっとそれには、ウィスキー好きとして一言申したい。
単に「ウィスキー」と言う場合、
やはり普通はスコッチとかジャパニーズとか、
要するに、「バーボン(ウィスキー)」は、
含まないと思うんですよ。
勿論、バーボンも分類学上は、
ウィスキーには違いないのだが、
原材料は言うまでもなく、
何よりも味が、「普通の」ウィスキーとはまるで違う。
最近、メーカーズマークのテレビCMを見る機会があって、
すごく驚いたのだけれど、
そこには「バーボン」という言葉は一切、出て来ず、
最初から最後まで「ウィスキー」という表現をしてるんですね。
まぁおそらく、バーボン側の戦略なんだろうと思うんだけれど、
でもやはり、バーボンとそれ以外のウィスキーとでは、
「ちくわ」と「ちくわぶ」ぐらい、
「インド」と「インドネシア」ぐらい、
「メロン」と「メロンパン」ぐらい、違う。
分かり易くいえば、
イヌとキリンは、同じ哺乳類でも、
まるで違うじゃないですか。それと一緒。
「朝倉」に話を戻すと、要するに、
「朝倉」の味は、まんま「バーボン」なんですよ。
だからこれを「ウィスキー」と表現している人は、
イヌを「イヌ」と呼ばずに「哺乳類」と表現しているのと同じなわけで、
こんな高級な酒の味を、
そんな大雑把に紹介するのは、いかがなものかと。
とにかく、普通の麦焼酎だと思って気軽に飲もうとすると、
ガツンとやられて、違和感がハンパないのだが、
でも不思議なことに、
ジャパニーズ・バーボンだと思って飲めば(分類学上はもちろん違う)、
深く味わえる。
バーボンの美味さが分からない人には、
まったくおすすめできないけれど、
和食にバーボンでも全然イケるぜ、という人には、
ぜひ一度試してみてほしいかな。