こないだ「初めて買ったCDは?」という話になり、
そういえばヨーヨー・マのベートーヴェンのチェロ・ソナタだったことを思い出した。
今から20年以上前、中学1・2年の頃だった気がする。
そんなに次から次へと新しいCDが買えるものでもなかったので、
しばらくはこの1枚をイヤになるぐらい聴いていた。
今から思えば、随分シブい中学生ではある。
最近たまたまこの曲(イ長調の方)を聴く機会があり、
忘れかけていた名曲ぶりに、思わず驚いた。
晩年のベートーヴェンのような、一種狂気じみた暗さや激しさはないが、
イ長調という調性とチェロの音色の魅力をフルに引き出す旋律。
チェロ・ソナタではあるけれど、そこはベートーヴェン。
ピアノ・パートも単なる伴奏ではないわけで、
音楽史上の器楽曲の中で、最も優れたものの1つであろう。
youtubeで見つけたのは、ロストロポーヴィチの演奏。
ドラマチックに、そして深みを失わず、
たっぷり聴かせてくれる。