僕が20代前半の頃、
「エリカ様」といえば、このエリカ・バドゥ。
思えばローリン・ヒルとか、
“本格的”女性R&Bが盛り上がりを見せ始めていた時期で、
そんな中でも、エリカ・バドゥはひと際個性的だった。
まぁひと言でいえば、シブい、のである。
いわゆるイマドキのR&Bではなく、
もっとtrivalというか、funkなというか、
あの独特の声で繰り広げられるのは、まさにエリカ・ワールド。
そんな彼女が長年(10年ぐらい?)のブランクを経て、
一昨年に出したアルバムが『NEW AMERYKAH Part One』。
※今となっては皮肉なタイトルに聞こえるのは、僕だけだろうか・・・。
この時は思わず買いそびれてしまい、
今回発売となった「Part Two」の方を、まずは鑑賞。
案の定、レベルが高い。
今では”ブラック・ミュージック”と言うと、
何となくチャラチャラ・チャカチャカしたイメージがあるのだけれども、
さすがにこの人は、芯が通ってますね。
当然ながらダンス・フロアで流すことなんて想定されてないし、
独特な声、テンポ、曲の完成度は、復帰前以上だと思う。
でも1つ(エリカ・ファンとしたら、もしかしたら致命的な・・・)難点を挙げるとするならば、
以前の泥臭いというか枯れたというか、
あの”シブい”彼女の個性が若干薄まってしまっているということ。
もっと端的に言えば、初めて彼女の曲を聞く人にも、
とっつきやすくなっている。
彼女の曲を聞く人が増えるのは、
それはそれで(ビジネス的にも)良いことなのだろうが、
僕を含め、彼女の曲を聞いていた人たちは、
「一般的なとっつきにくさ」っていうのが彼女の魅力だと思っていたに違いないので、
何とも微妙な感覚では、ある。
ちなみに、これ、HMVの通販で買ったら、
1,400円ぐらいでした。
Amazonだとまだ「予約中」なのに、
なぜこんなに早く・安く買えたのだろう・・・
またしても企業のメルマガ戦略に引っかかってしまった自分であった・・・。