歌麿・広重といった正統な(?)浮世絵に飽きたら、
北斎の天才にどっぷり浸かるか、
国芳の奇才を堪能するしか道はない。
前者にハマるにはまだ早い。
ならば、後者。
国芳の魅力は、敢えて陳腐な言葉で語れば、
オシャレで、ポップなところ。
しかし浮世絵とは本来そうあるべきで、
「憂き世」を真面目に描いたところで救いがない。
世知辛い人生を、
持ち前のアイデアとユーモアで切り抜けてみせるのが、国芳流。
一枚一枚の絵の魅力はさることながら、
こういう機会に彼の作品をまとめて眺めることで、
国芳という人の生き方そのものが浮かび上がってくる。
活力をもらえた展覧会だった。