最近またクセになってきている、
B級SF作品。
ざっと分類すると、
宇宙をテーマにしたB級SFには、
3つのパターンがありますね。
1.地球が宇宙人の侵略等の災害を被る
2.宇宙船でこの上ない苦行を強いられる
3.異星でトンデモ体験をする
要は理不尽目に会うことは変わらないわけで、
それが「どこか」という設定によって、
描き方が変わってくるわけですな。
今回はパターン「2」なわけだけれども、
最近の傾向としては、
宇宙船での生活の孤独感とか、
精神的変調とか、
割と静かな(?)テーマのものが多くて、
かつての『エイリアン』のような、
謎の生物と闘うというタイプは、
専ら「1」か「3」にシフトしているようです。
なので、今作にもエイリアンは出てきません。
帰る場所がなくなった宇宙船における、
人間同士のサバイバル劇です。
地球とエウロパの間に浮かんだ宇宙船を、
各国が10年毎に管理する。
ロシア、中国は無事に任務をこなし、
米国が管理を任された3年目だか4年目だかに、
突如の閃光とともに衝撃が走り、
モニターに映る地球が、地球がぁぁぁぁあ!
なんで、よりによって、
USターンにぃぃぃぃ~!
っていう、クルーの叫びです。
まるで母を失った赤子のように、
ショックを受けるクルー達。
だってもう、帰る地球がない。
ヒューストンにも通じない。
怪我人もいる。
頭おかしくなってる奴もいる。
さて、どうする・・?
宇宙ステーションを脱出してきた、
同胞を救出するものの、
酸素や食糧をめぐる争いや、
なんやかんやで、
一人、また一人と、
クルーが減ってゆく。
というお話でっす。
現在と過去のストーリーが、
交互に展開されるので、
やや分かりづらいけれども許容範囲かな。
この手の映画って、
宇宙船での「孤独感」を描くタイプが多かったから、
「人間同士の争い」を描くというのは、
それはそれでアリだと思うんだけれども、
その点をもっと徹底しても、
良かったんじゃないかな。
なんだろう、人数が多い割に、
個性を発揮できていないメンツがいるというか、
もっとギトギトした人間関係というか、
人間の醜さみたいなものを、
徹底して描いてほしかった。
だって、地球がなくなったんだし。
適正価格(劇場換算):1,100円