ドイツ・フランス・イギリス・ポーランド・アメリカ合作、
2018年のSF映画。
地球の未来を救うために、
ブラックホールからエネルギーを得るべく、
死刑囚・終身刑の男女が、
宇宙船に乗り込み、
ミッションへと旅立つ。
だがこのミッションは、
性交渉無しに、
要は、
精子を人の手によって、
子宮に送り込むことで、
子供を作るという、
実験も兼ねていた。
人の欲望と欲望とが、
宇宙船の中で醜くぶつかり合う中で、
やがて、ひとつの生命が誕生する。
そして最後に残されたのは、
父と娘のみ。
やがて宇宙船は、
ブラックホールへと到着する…
というお話。
監督はクレール・ドゥニだし、
ジュリエット・ビノシュが、
重要な役どころを演じてるし、
いかにも欧州映画な重厚感があり、
良くいえば、人間の命とは?人生とは?
というディープな問題を、
考えさせてくれるっちゃくれるのだが、
反面、不満も多く、
ペンローズ過程とか、
スゲー難解な話をぶっ込んでくるかと思えば、
宇宙船から捨てた死体が、
なぜか自由落下していくとか、
科学的なリアリティがないところと、
あとは何といっても、
無駄なエロが多すぎ(笑)。
まぁ、無法者の男女が宇宙船に乗っている、
しかも、同船している医者も女医、
という時点で、
何もない方がおかしいし、
そういう極限状態の設定を活かして、
人間の本能みたいなものを、
描いているといえなくもないのだけれども、
でも冷静に考えれば、
そんな重要なミッションに、
そんな輩と女医だけを送り込まないよなぁ、と。
ということで、
やっぱりリアリティが、ない。
監督が描きたかったテーマがまずあり、
その後にストーリーが作られたという感じだし、
テンポも良くない、
ディテールもイマイチ。
純粋なSF映画としては、
楽しめないです。
一方で、
ヨーロッパ映画が好きな人にとっては、
そこまで酷くないと思えるかも。
評価が難しい。
適正価格(劇場換算):1,200円