2019年、スペイン・ベルギー合作の、
サスペンス・スリラー。
ゴヤの名作「ロス・カプリチョス」。
そこに描かれた(版画だが)奇怪な情景を、
そのまま再現する形で、
連続猟奇殺人事件が発生する。
しかも被害者は皆、
「ロス・カプリチョス」のコレクターであり、
殺害されただけではなく、
そのコレクションも盗難されていた。
その解決に臨むのが、
主役の女性警官2人であり、
2人の生き方や考え方の違いが、
この作品に深みを与えているわけだが、
全体としては、
かつての『セブン』のような、
よくあるタイプ。
惜しむらくは、
ストーリーの前半で、
犯人がバレてしまうような、
不必要な一コマが挟まれていることで、
まぁそれがあることで、
犯人が死んだと思われた後の急展開の、
伏線となり得ているわけだが、
正直、蛇足っちゃ蛇足かな。
そこそこ緊張感もあるし、
ゴヤの不気味な世界観を、
上手く利用できており、
そこを楽しめる人であれば、
観ても損はないだろうが、
そうでない人には、
平凡だと思われるかもしれない。
適正価格(劇場換算):1,400円