ミシェル・マクナマラ 著「黄金州の殺人鬼――凶悪犯を追いつめた執念の捜査録」(亜紀書房 )
1974年から1986年の間に、
カリフォルニア州で少なくとも、

50人以上を強姦し、
13人を殺害した、
ジョセフ・ジェイムス・ディアンジェロの、

詳細な犯罪手口と、
それを捜査側の執念とを、
具に描いたノンフィクション。

ネタとしては興味を惹かれたのだが、
時系列が混在していて、
えらく読みづらいのと、

同じような犯罪の描写が、
長々と続くのとで、
眠くなる。

ミステリー小説を読むような、
ワクワク感はなく、

あくまでも、
現実の犯罪禄にすぎない。

女性であること、
執筆中に他界したこと、
その後犯人が逮捕されたこと等により、

著者が必要以上に、
神格化されている気がするが、

1つのテーマへの執着は尊敬するものの、
その内容が優れているようには、
どうしても思えない。

監視カメラも、
インターネットも、
まともなDNA検査も、

まだなかった40年前であれば、
こういう犯罪も可能だったわけだが、

犯人が当時残した、
DNAの手がかりが、
40年越しの逮捕につながったのだろう。

ただ、著者は逮捕には関わっていないし、
(そもそも逮捕時には他界)
真相に迫っていたわけでもないので、

実際に何がきっかけで、
犯人逮捕に至ったのかは、
本書にはまるで書かれていない。

読後のカタルシスがないのは、
それも理由だろう。

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