
たまに読みたくなる、
クローズドサークルもの。
色々悩んで、
本作に辿り着いたわけだが、
結論としては、正解。
建物自体の奇妙なトリック、
犯人の意外性、
物理・数学的要素などなど、
自分好みの作風だった。
ただ、クローズドサークルものの、
楽しみのひとつである、
読む側が不安になるような閉塞感は、
物足りないかもしれない。
タイトルのとおり、
眼球を模した建物が、
物語の舞台なのだが、
その設定の、
「そもそものあり得なさ」
を利用した、
大胆なトリック。
やや大味な感は否めないものの、
エピローグで明かされる、
真相の意外性が、
この作品を救っているかもしれない。
探偵役の主人公の、
キャラも魅力的であり、
続編も読みたいと、
思わせてくれる。