地震関連の記事が偶々続いてしまった。
悪い予兆でないことを、祈りたい。

関東大震災を経験した文筆家は、
それについて必ず何かしらを著している。

それぞれの個性を活かしつつも、共通しているのは、
遠からずまた大震災は来るから、この教訓を活かさなくてはならぬ、ということである。

和辻哲郎の筆は、適確である。

感傷に走ることなく、冷淡でもなく、事象、そして震災時の心理的な変化について、
見事なまでに描いている。

特に彼が力説しているのは、
なぜ「東京市」を、このように火災に弱い都市にしてしまったのか。
都市計画というものはなかったのか。
そして次こそは同じに状態にならぬよう、最善を尽くすべきである、
ということだ。

東日本大震災では、火災ではなく、津波が襲った。
そして都市だけではなく、原発までも麻痺させた。

けれども、対策と計画という点では、関東大震災当時と、何ら変わりはない。
果たして、万全であったのかどうか。

和辻は、「震災後」について下記のように述べている、

「・・・公共の利益のために断乎として利己主義的な社会組織、経済組織を改善する機会を、
天が日本人に与えたのである」

2年前のあの震災では、果たして改善されたのか。

改善するもしないも、日本人の自由ではあるが、
それとは関係なしに、自然はいつでも猛威を振るうものである。

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