「倍音」をベースに、音楽や言語、
さらには文化一般までをも論じた本。
ちょっとこじつけすぎかな、、と思える箇所もあるが、
倍音からみた文化論という視点が斬新で、
さすがは、尺八奏者の著者ならではのものだ。
最近では西洋音楽でも倍音の効果は注目されているが、
基本的には、西洋音楽は、倍音の存在に目をつむることで、
発展してきた。
ただ倍音が鳴っているときの、あのなんとも言えない感覚は、
西洋楽器でも十分に感じ取れると思う。
三味線でいえば、東さわりだったり、綾杉胴なんていうのは、まさに倍音増幅装置。
同じ音でも、どの糸を弾くかで響きが全く異なるのは、そのためでもある。