「今を生き抜くための 70年代オカルト」(前田 亮一)

 

UFO~♪ 四次元♪ ユリ・ゲラ~♪
ネッシ~♪ ツチノコ♪ 雪男~♪
ノストラダムスに丹波哲郎~♪

オカルト覚え唄である(メロディは任意)。
子供の頃、よく歌ってた。

それは冗談だが、幼少期、なぜか我が実家には、
上記の他、バミューダ海域とかピラミッドとか、

今となってはいかがわしい領域の本がたくさんあって、
テレビをつければ、ユリ・ゲラーがスプーンを曲げてるし、

要するに70~80年代って、そんな時代だった。

中学・高校の頃は、愛読書がコリン・ウィルソンだとか澁澤龍彦だとか、
今思えば、自分はかなりアブナイ少年だったようだ。

そんな懐かしい思い出もあり、思わず買ってしまったのがこの本。
たまには雑誌感覚で、こういうものを読むのも気分転換になる。

この本でも分析されているが、
なぜあの時代、日本にオカルトブームがあったのかといえば、

高度成長期からバブル経済の中での心の闇だったり、
メディア(TV)がコンテンツに飢えていたり、
世紀末や核戦争に対する不安があったり・・・・

まぁ、そういうことなんだろうと思う。

それが証拠に、TVに替わってWebがメディアの主役となった現在では、
上記に挙げたような「オカルトたち」は、もはや古いものになってしまっている。

TVを通じた、「共同幻想」としてのオカルトの役目はもう終えて、
いまや、ネットユーザーひとりひとりが、カスタマイズされたオカルトを抱えていて、
ゆえに、予測不能な犯罪が多発する時代になってしまった。

現代には妖怪が住めなくなってしまった、とよく言われたが、
妖怪どころか、UFOさえも飛びにくい世界であるようだ。