「日本国語大辞典 第二版」(小学館)

「日本国語大辞典 第二版」(小学館)

「日本国語大辞典 第二版」(小学館)
我が家では、
漢和辞典は『諸橋大漢和』と、
岩波の『漢語辞典』、

古語辞典にいたっては、
小学館の『古語大辞典』を含めて7冊もあるという、
盤石の布陣なのだが、

一方で、
国語辞典については心もとなく、

子どもの頃に親に買ってもらった、
『広辞苑 第三版』(昭和58年発行)
があるだけだった。

そもそも国語辞典なんてものは、
所詮現代語の意味を調べるだけなので、
ネットで十分事足りる、

という考えのせいでもあったわけだが、
ここ最近、言葉に対する興味が復活し始め、
(一応、国語国文科卒)

語源だの、語形変化だの、
文法上の問題だの、

要は、単なる「語彙」以上のことも、
あれこれ知りたいと思ってきたので、

どれここはひとつ、
国語辞典でも買ってみるかの、
ということになった。

まぁ普通に考えるならば、
『広辞苑』『大辞林』『大辞泉』
の中から選ぶことになろう。

どれも約25万語を収録しており、
まさに「国語辞典トップ3」であることは、
間違いない。

だがこれとは別に、
個人ではそもそも購入の選択肢にも入らない、
「キング・オブ・国語辞典」がある。

それが、小学館の『日本国語大辞典』だ。

収録後は上記「トップ3」の2倍の、
50万語。

世界最大と言われる、
『オックスフォード英語大辞典』が、
約60万語と言われているから、

言語は違えど、
そのスケールがお分かりいただけると思う。

全13巻+別冊1巻という構成で、
現代語のみならず、
上代からの文献や方言までカバーするという、
まさに日本語最強のデータベース。

さて、これをまともに新品で買おうとすると、
20万円強するわけで、
とても自分のような庶民に買える代物ではない。

ただ、欲しい本は意地でも買いたくなるのが、
本好きのサガ。

こういうときに頼りになるのが、
「日本の古本屋」という古書専門の通販サイトだ。

僕が学生の頃だったら、
神保町の古本屋を、
一軒一軒回る羽目になっていただろうが、

今やこのサイトで検索すれば、
全国の登録済みの古本屋の在庫が、
すぐに分かる。

早速検索すると、
おぉ、たくさんあるではないか。

気をつけなければいけないのは、
『日本国語大辞典』には、
初版と第二版とがあって、

後者の方が当然収録語数も多く、
勿論そちらを狙いたい。

さらに、ダイジェストともいえる「精選版」と、
老眼の自分には厳しかろう「縮刷版」もあり、

ここは慎重に、
「精選版」でも「縮刷版」でもないやつで、
できるだけ状態が良く、

そしてなんと言っても安いやつ(ここ重要)を、
選び抜かなくてはならない。

古本屋巡りにはもちろん劣るが、
ネットでのこういう本探しも、
また違った意味で楽しいのである。

厳選の結果、
八王子の佐藤書房さんというところで、
定価の10分の1の2万円、

1巻分の函がないとのことだが、
大学の蔵書だったものらしく、
保存状態も良好。

迷うことなくこれをポチった。

ちょっと不思議だったのが、
2万円で売られているということは、

おそらくこの古書店は、
その半値以下で買い取ったのだろうが、

果たして大学が、
そんな金額で蔵書を手放すものなのだろうか、
ということ。

確か『日本国語大辞典』は、
オンライン版もあったはずだから、

そちらの導入を期に書物の方は処分することになり、
捨てるよりは、タダ同然でも古本屋に、、、
ということになったのだろう。

どのような事情があったにせよ、
学問の場で使われていた辞書が、

我が家にやってくるとは、
光栄なことこの上ない。
・・・・・・・
・・・・
さて、佐藤書房さんに感謝すべきだが、
なんと次の日にやって来た。

うちの地域担当の、
ご高齢のゆうパックの配達員の方には申し訳ないが、
重い段ボール2箱。

ワクワクした気分で箱を開け、
あらかじめ確保しておいた、
本棚のスペースに14冊を収める。

壮観である。

ただ悲しいかな、
これでもう、
ほぼ我が家の本棚は満室だ。

新書や岩波と講談社学術以外の文庫を、
電子書籍化することを、
そろそろ本気で考えよう。

一応確認してみたところ、
各冊、「地」の部分に、
「創大研究図書」
という印が押してある。

それにしても状態が良いと言うか、
キレイすぎる。

まぁ、国語辞典なんて使われないからな、、
でもそのお陰で、
これを2万円でゲットできたのは、
ラッキーである。

さていよいよ、
『日本国語大辞典』の実力を試させてもらおうか。

とりあえずは、
このブログで言葉について書いた記事のいくつかを、
検証してみたいと思う。

「かかりつけ」という語を考える
ここで調査対象になったのは2点。

1.「かかりつける」という動詞の事例があるかどうか。
2.「つける」に補助動詞的用法があるかどうか。

結果としては、おぉ、、、
さすがは『日本国語大辞典』!

1.漱石先生の『道草』に、
「掛かり付けてきた産婆に~」、

里見弴の作品に、
「鎌倉にはかかりつけた方がないから」

という事例があるらしい。

2.補助動詞の用法として、
・その動作を普段し慣れている
・動作を勢いはげしくする
というのが、例文とともに載せられている。

これ以外にもありそうなのだが、
それは補助動詞としてではなく、
「つける」自体の意味として説明されている。

副詞「とくと」
ここでは、「とくと」の派生語と言われる、
「とっくりと」という言葉が、

果たして現代語にあるのかどうか、
というのを検証。

秋田県雄勝郡の方言として、
「説明を聞いてとっくりよく分かった」
という例文が挙げられている。

うーーん、さすがだ。

ネットはもちろん、
広辞苑でも解決しなかった問題が、
あっさり解決してゆく。

他にも気になる言葉を、
いくつか調べてみたのだが、

語源も用例も、
豊富でわかりやすく、
早くも我が家の家宝決定です。

もうこれなしでは、
日本語は語れませんな。

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