映画「カットバンク」

一言でいえば、「ほのぼのスリラー」。

殺人事件を題材にしているのに、
なぜ「ほのぼの」かというと、
アメリカ映画によくある「ザ・田舎」が舞台だから。

モンタナ州のカットバンクという小さな町。

地図で示すと、ここです。

カットバンク地図

映画中では「この国で一番寒い町」という表現が出てきますが、
アラスカもありますし、それはどうなんでしょう。

とにかく、国境近くのとんでもない田舎というのは、
分かるかと。

田舎を舞台とした映画といえば、
お決まりなのが、保安官とミスコン(笑)。

はい、この作品でも重要なファクターとして登場します。

ストーリーとしては、
まず郵便配達員が何者かに殺害される。

ただ、これはすぐに狂言だということが
分かるのだけれども、

それが思わぬ人の恨みを買うこととなり、
そこから実際の殺人事件に発展してゆく。

後半は犯人が凶器を手に迫ってくる話で、
名作『ノーカントリー』を彷彿とさせますが、
もちろん、あんな怖さは微塵もない。

なにせ「ほのぼのスリラー」なんで(笑)。

なーんにもない田舎町が舞台ということと、
あとは登場人物の人柄が、それに見合った微笑ましい設定になっていて、

ジョン・マルコビッチ他が演じる助演俳優たちが、
非常にイイ味を出してほのぼの感を演出している。

スリラーではあるのだけれども、
そこから毒を抜くとこうなりますみたいな、
「新鮮な味付け」の映画として、なかなか悪くないんじゃないかな。

たぶんアメリカ人が観ると全然違う印象なんだろうけど、
他国人から想像するアメリカの田舎が描き込まれている感じがして、
個人的にはとても好きです、はい。

適正価格(劇場換算):1,600円