映画「ウィンド・リバー」
2017年のアメリカ映画。

映画の舞台は、
合衆国の中で一番人口が少ないというワイオミング州で、
全編を通して雪原の中のサスペンスというのが、
この作品のユニークさを際立たせている。

映画の最後に、
「ネイティブアメリカンの女性の失踪事件は、
調査がされないままである」
というようなテロップが表示されるが、

この映画は、まさにその原住民居住地における、
少女の殺人事件を扱ったもので、
テーマはかなり重い。

物語の途中で犯行の一部始終は明かされるので、
謎解きサスペンスの要素は薄いが、

雪山を奔走しながら、徐々に真相に迫り、
そしてクライマックスの銃撃戦に至る流れが、
かなり痺れる。

というか、ジェレミー・レナー、カッコ良すぎだろ。

amazonのレビューとかを見ると、
アメリカの社会問題云々という意見が多いが、

まぁ別にそこまで意識しなくても、
雪深い辺境の土地における息詰まるサスペンスとして、
十分な緊張感を持って鑑賞できる。

欲をいえば、
主人公の娘が殺害された事件についても、
すっきりと解決してほしかった気もするけれど、

そこが未解決なママなのが、
この映画のテーマを強調しているのかもしれないな。

とにかく、雪原の中という舞台設定と、
猛獣ハンターを主人公としたストーリーとで、

それほど長くない作品ながら、
高い濃度にどっぷりと浸かれるサスペンス。

最後は一応ハッピーエンドなので、
観終った後も、それほど後を引かないのが良い。

適正価格(劇場換算):2,200円