「稀曲の会 ―隠れた名曲の魅力―」(@国立劇場)

「稀曲の会 ―隠れた名曲の魅力―」(@国立劇場)
稀曲の会 ―隠れた名曲の魅力―

「稀曲」(ききょく)とは、演奏される機会が少ない、珍しい曲のこと。

なぜ演奏されないかについての理由は様々だろうが、大まかにいえば、

・作品の出来栄えが悪い
・興行としての人気がない
・伝承者が少ない

といったあたりだろうか。

特に三番目の「伝承者が少ない」というのは、日本の伝統音楽ではよく起こり得ることで、
楽譜が存在するならまだしも、楽譜すら存在せず消失してしまった楽曲は、数知れずあるだろう。

今回、演奏会の後に、それぞれの演奏者たちによるパネルディスカッションがあったのだが、
そのうちの一人、今井勉さんは、いま現在、平家琵琶の唯一の伝承者であり、
楽曲どころか、演奏者ごと音楽のジャンルが消滅するということの深刻さを、考えさせられた。

その他、演奏と楽譜の関係や楽器のメンテナンスなどについて、
演奏者ならではの視点からの意見が聴けて、非常に勉強になった。

演奏については、常磐津都㐂蔵さんの三味線が、凄いの一言。

どの楽器でも、一音を聴いただけで、ハッとさせられることはほとんどないのだが、
都㐂蔵さんの三味線はまさにそれで、
あの澄んだ音色と、撥で糸を撫でるようにして奏でる極限の最小音には、
感動のあまり鳥肌が立った。

音楽は聴くのも弾くのも、やはり「ホンモノ」でなくてはならないと、
2014年に向けて気持ちを引き締められた演奏会だった。

音楽カテゴリの最新記事