ブレンデルの「皇帝」

ブレンデルの「皇帝」

数日前のバレンボイムに続き、またも「皇帝」。

僕がピアノを先生に習っていたのが、
大学入試直前までで、最後に弾いたのがこの『皇帝』。

だから思い入れがあるといえばあるんだけれども、
何よりも、曲が好きすぎる。

ピアノとオーケストラのベストの調合をするならば、
こういう曲になるんだという、
コンツェルトとしての究極の出来映えなのではないだろうか。

さて、今回聴いたのはアルフレッド・ブレンデルのピアノ、
指揮はサイモン・ラトル、オケはウィーン・フィル。

ブレンデルは10代の頃ハマっていた時期があって、
モーツァルトの協奏曲、リストの『巡礼の年』、シューベルトのソナタ、
あとベートーヴェンの後期のソナタ。

でもそういえば、ベートーヴェンの協奏曲は聴いてなかったように思う。
なぜだかは、今となっては不明だが。

さてこの演奏、基本的には(予想通り)「安全運転」なわけだが、
第一楽章は思っていた以上にテンポを動かしているし、
全体としては悪くない。

ただケチをつけるとするならば、
スタジオ録音というせいもあり、整いすぎているためなのか、

全体的に「こじんまり」としていて、
まるでモーツァルトのコンツェルトを聴いているかのようなんだよね。

それはそれで解釈としてはアリだし、
この曲単体で考えればOKなのかもしれないが、

3番があって、4番を経て、この5番ということを考慮すると、
この演奏だと4番との差別化がないというか、
たぶん、5曲を通して聴くとメリハリがなく聴こえるのではないかなぁ、と。
(僕は1~4番は聴いていないが)

まぁそれを抜きにしても、
横方向の流麗さは申し分ないのだけれども、
もう少し垂直方向の深みというか、力強さみたいなものを感じたかった。

もちろんブレンデル先生にそれを期待できないのは、
十分承知の上なのだが。

音楽カテゴリの最新記事