STARKA -スタルカ-

もし僕が「酒好き」に含まれるのだとしたら、
その原因はこの酒にある。

別名「皇帝のウォッカ」(「スタルカ」とは「古いウォッカ」の意味)、
と呼ばれるこの酒に、
初めて出会ったのは今から10年前ぐらいだろうか。

よく行くBARにおいてあり、
毎回注文していた記憶がある。

味はというと、
リンゴなどの果実を発酵させたものも含まれており、
コニャックを目指したものであることは、一目(味)瞭然。

度数も40度しかないので、
ウォッカはちょっと・・・という人でも、
安心して楽しめるはずだ。

そのBARに行かなくなってしばらくしてから、
他の店で注文してみた。

するとどの店にも置いていない。

これは最近知ったのだが、
何らかの事情で生産だか輸入が中止となっていたそうで、
どうりでお目にかかれなかったわけだ。

それが近頃、再販売を開始したとのウワサを聞き付け、
早速取り寄せてみた。

ほぼ10年ぶりの再会である。

昔の恋人に会うかのように、そわそわしながら封を切り、
あらかじめ用意していた、大き目の氷でオンザロックにする。

10年ぶりの味は・・・・
・・・・・
・・・・
甘い・・・なんだこの甘さは・・・
・・・・・
・・・・

普段ウィスキーを飲み慣れているせいか、
砂糖水のように甘い。

ラムより甘いのは確実だろう。

10年ぶりに再会した恋人の容姿の衰えに気付いたときのように、
その落胆たるや、相当なものである。

10年前は、こんな酒をウマいと思っていたのか・・・

そんな自分に対してショックだったり、
でもある意味自分もそれだけオトナになったのだろう、
と言い聞かせてみたり、思いは何とも複雑である。

まぁでも、結局そんな甘さにも徐々に慣れ、
最近では週に1度ぐらいのペースで、
10年ぶりの酒の味を楽しんでいる。

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