またもや最終日に駆け込み鑑賞。
最近、なんというか、
何事もギリギリにならないと進まない。
仕事でも、1日1時間でも進めておけば、
今頃だいぶラクだったのに・・・と思うことがよくある。
追い詰められても最後は必ず終わらせるという自信?
みたいなものがあるから、尚更タチが悪い。
僕がルドンに初めて興味を持ったのは、
彼の代表作「瞳を閉じて」を見たのがきっかけで、
そのあと、岐阜の美術館にはルドンの作品が豊富にあると聞いて、
見に行く計画を立てていたのだけれども、
生憎の締切忙殺地獄にどっぷりと浸かってしまい、
まともに「瞳を閉じる」時間すらとれずに月日が経過してしまっていた。
今回の主役は「グラン・ブーケ」で、
個人的には木炭画の魅力を再認識させられた。
いわゆる「ルドンの黒」と呼ばれる所以の作品群なのだが、
リトグラフやエッチングの「黒」よりも、
やはり木炭画の「黒」、あの地の色が、
オレンジがかった何とも言えない触感を醸し出しているところが、
大変気に入った。
※「触感」と書いたけれども、
もちろん実際に触ったわけではなく、
あくまでもテクスチャとしての「触感」。
木炭画は、「ポジ」と「ネガ」のいわば二進法で世界を表現するわけで、
「0」と「1」からなるデジタルの世界との共通点(?)があるような気がして、
それはそれで、不思議。
この世界は結局は単純な原理の積み重ねなんだと、
妙に納得しながら会場を後にしたわけだが、
外に出てなんか寒いと思ったら、
コインロッカーに外套を忘れたことに気付いて、取りに戻る始末。