マーラーの「アダージェット」は、
中学生の頃、それこそ毎日のように聴いていた。
今思えば、自分のukiyobanare的人生は、
この時に芽生えていたのだと思うが、
もうどうしようもない。
youtubeで見つけたこの動画。
バレンボイム×シカゴ響という、
まさにマーラーを演奏する為にあるような組み合わせなのだが、
これがすごい。
そもそもこの1時間以上ある曲が、
かなりクリアな画質で一本の動画で観れる(無法地帯ぶり)が、
まず驚き。
そしてバレンボイムが随分老けたことが、
次の驚き。
最後の驚きは何と言っても、
演奏のレベルの高さ。
ヘタな演奏でも曲が良ければ問題ない、という僕でも、
たまに鳥肌が立つような演奏に出くわすことがある。
この演奏がまさにそれ。
アダージェットだけ聴くつもりが、
気づいたら全曲聴く羽目に。
youtubeには、同じバレンボイムが指揮する、
ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団の動画もあるのだけれども、
同じ曲?って思ってしまうほど、演奏の厚みが違いすぎる。
アメリカオケの良い部分が見事に引き出された、
というべきか。
アダージェットといえば、
ヴィスコンティの映画「ベニスに死す」。
これも当時のレンタルビデオ屋で探して観たのが懐かしい。
トーマス・マンの原作と比較してしながら、
「文学の表現にも限界があるな」などと生意気なことを考えていたような。