ふとしたきっかけで、美人画の一番の名手は誰だろうか、と考えてみた。
ルノワール、アングル、歌麿、マネあたりで決めようかなとしていたところ、
ひとり、すごい名手を忘れていることに気付いた。
フランツ・ヴィンターハルター。
典型的な宮廷画家で、まさに美人画職人。
正統な美術史的には微妙な存在なのだろうけど、
ひとつのジャンルで、他の追随を許さないスタイルを確立している、という意味では、
音楽における、ヨハン・シュトラウスに似ている。
ちなみに、真ん中の、「バルブ・ド・リムスキー・コルサコフ夫人の肖像」をオルセーで見たときは、
わざわざパリに来た甲斐があったと思いました、本当に。