新宿交響楽団第47回定期演奏会

 

まずは「フィンガルの洞窟」。
冒頭から、なかなかメリハリを感じさせてくれる。

だけど、僕は昔からこの曲があまり好きじゃない。
あくまで個人的な感想だけれど、
焦点の定まらない絵画を見せられているような。

続いて、ボロディンの小組曲。
初めて聴く曲なので、楽しみにしていた。

オリジナルはピアノ曲で、
それをグラズノフがオケ用に編曲したとのこと。
これがなかなか、楽しくて美しい曲。

ただ、原曲は最後はノクターンで終わるそうなのだが、
グラズノフがコンサート用だとかで、
余計なスケルツォをノクターンの前後に挟んだのが、大失敗。

余計な調味料を加えて、料理全部を台無しにしてしまった感じだ。

休憩を挟み、メインは「展覧会の絵」。

僕はこの曲は断然、オリジナルのピアノ版が好きだったのだけれど、
今回、オケ版を初めてLiveで聴いたみると、
うん、こっちもいい。

さすがは、ラヴェル。
随所の楽器の使い方が、職人を超えて、もはや魔術師。
CDで聴いていただけでは分からない発見が、いくつもあった。

「展覧会の絵」の中では、「牛車」と「キエフの大門」が大好きで、
特にフィナーレでもある「キエフの大門」は壮麗無比、
Liveの醍醐味、ここに極まれり、といった感じで、
昨今のウクライナ情勢なども考えると、感動的ですらあった。

その想いは、指揮者や演奏者も同じだったのだろう。

アンコールが、掟破りの「キエフの大門」(後半部分のみ)の再演奏(!)だったときも、
驚きよりも、なぜか納得感の方が強かった。

新宿区民として(無料で)コンサートを聴くのは、
これが最後になるかもしれないけれど、
区外に引っ越してからもまた来ようかな、
と思わせてくれる演奏会だった。

One thought on “新宿交響楽団第47回定期演奏会”
  1. […] オーケストラのコンサートのあとに、そのまま義太夫を聴きに行くというのは、 我ながら何ともまぁ両極端で、でもそんな自分がキライじゃない。 […]

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