オーケストラ・ルゼル 第15回演奏会

 

サン・サーンスの「オルガン付き」は、
いつかLiveで聴いてみたいと思っていたのだけれど、
遂に実現した!!

オーケストラ曲の中で、
オルガンやピアノが使われている例はたくさんあるのだけれども、
大抵が「キワモノ」的な扱いで、
この曲みたいに、控えめで、美しく、
かつ効果的に使われている例は、非常に少ない。

まして、シンフォニーというジャンルであれば、
唯一無二の存在といってもいいだろう。

あらためて聴いてみると、神々しさというか格調の高さが再認識できて、
僕個人としては、ロマン派音楽の名曲中の名曲だと思っている。

特に、第一楽章第二部の、オルガンの奏でるハーモニーの上に、
弦の美しい旋律が絡んでくるアダージョは、
まさに天上の音楽。

普段は、バッハやチャイコフスキーが好きでも、
やはり、サン・サーンスとかフォーレの、
上質な絹織物のような音楽は、必要なんだと痛感した。

ちなみにこの曲は、実はオルガンだけではなく、
ピアノの使い方も秀逸だと思う。

しかも連弾というのが、粋ではないか!

さて、演奏の方であるが、
弦、特に中低音弦の、パワー不足が顕著だったように思う。

例えば、この日の2曲目の、ラヴェルのワルツみたいな曲は、
音量でメリハリを付けられないのなら、
なおさらリズムでメリハリを付けるしかないのだけれど、
それも甘い。

だから、それぞれのパートが勝手に弾いて、
音のごった煮のようになっていた気がした。

もっと強烈なリズム意識でアンサンブルをまとめないと、
この曲は難しいと思う。

シュトラウスのワルツとは違うからね。

逆に、メインのサン・サーンスは、
このオケの弱点が目立たない選曲だったのではないか。

でもブラームスとかチャイコあたりは厳しそうだな、、
というのが正直な印象。

なので、今回「オルガン付き」を聴けたのは、
ある意味ラッキーだった。