「現代オカルトの根源」(大田 俊寛)

 

ダーウィンの進化論が、生物の構造について述べたのに対し、
ヒトの内面の進化を語ったのが「霊性進化論」。

ブラヴァツキー夫人による神智学から、
エドガー・ケイシー、UFOでおなじみのアダムスキーやナチスの思想を経て、
現代日本のオウム真理教や幸福の科学といった信仰宗教まで、

霊性進化論がどのようにして受け継がれてきたかを、
宗教学者が解説した本。

特に最初の神智学についての説明と、
最後の日本の新興宗教についての部分が割と細かく長いので、
ライトなオカルトの本だと思うと、失敗する。

霊性進化論というのは、簡単に言えば、
ヒトという種を、優れた種の昇華させるという考えなわけで、
ある意味の選民思想とも言えるから、

「信じるものは救われる」がベースにある宗教においては、
特に新興宗教にかかわらず、潜在的に有しているものであろう。

なので、最終章で、オウム真理教と幸福の科学についてやたらと細かく語るのは、
若干違和感があったのだけれど、
正直いうと、特に後者については、内容がイマイチ理解できなかった。
(なのでまぁ、僕は信者になる資格がないということで・・)

個人的に興味深かったのは、
ナチズムの思想の背景に、いかにオカルトが入り込んでいるかの部分で、
ここについてはもう少し掘り下げて別の本を読んでみようとも思うが、
内容が内容なだけに、あまり大っぴらにして読みたくはない気もしている。