いま45歳なわけですが、
何となく50歳までの目標として、

・バッハの無伴奏チェロ組曲全曲
・バッハの平均律全曲

を弾いてやろうと思ってまして。

後者の方は、今年の頭から『平均律第2巻』に着手し、
ひと月一曲ペースで、4年掛かり、

予定通り第6番のフーガで、
無事今年を終えようとしている。

しかしまぁ、一曲一曲進んでいくたびに、
バッハの先進性というか、型破りさというか、

とにかく言葉にできないスゴさに圧倒されているわけで、
このフーガのリズムと言ったら!

バッハ『平均律クラヴィーア曲集第2巻第6番フーガ』
16分音符が、3連符と通常とで入り乱れて奏でられ、
さらにそこにゆったりした8分音符が混じることで、
「絶妙な揺れ」が生じるわけなのだが、

この感覚は何かに似てると思ったら、
そう、40歳代の人は知っているかもしれないけれど、

かつてclub musicとして流行っていた
「2step」を彷彿とさせるのだ。

通常の4つ打ちHouseに、3連符とか3拍子とか、
とにかく普通では組み合わせないような拍子を重ねて、
不思議なグルーヴを生み出していたのが「2step」。

バッハとUKガラージのまさかの遭遇。

というか、現代人が考えられることなんて、
とっくにバッハが実践してる、というべきか。

「人間に考えられることなんて、とっくに虫が実行してるよ」
(by 養老孟司)みたいな。

聴くだけだと、下手すると素通りしてしまうのだけれど、
やはりバッハの音楽は弾いてみることで、
その奥深さに愕然とさせられる。

2020年は、僕の大好きな第7番から始められるというのも、
今から楽しみで仕方がない。