この作品の映画があるのを知り、
観る前にまずは原作を読んでおこうと。
大家族が住むお屋敷で、
資産家の老人が殺害される、
というお決まりの設定ではあるが、
家族それぞれに動機があったり、
アリバイがなかったりする中で、
「犯人当て」の醍醐味を味わうことができる。
特に残り10%近く、犯人が逮捕され、
無事解決と思っていたところで、
第二の殺人が起こり、
ラストに向けて目まぐるしく展開していくあたりは、
まさにこの手の推理小説の面白さ。
登場人物の数が多いので、
最初は覚えるのに苦労するが、
一人一人の性格や特徴が、
見事に描き分けられているのも、
さすが、といった感じだろう。
惜しむらくは、
トリックが単純すぎる点ではあるが、
まぁそれも犯人が分かってみると、
仕方ないのかな・・・、
この本では犯人当てを楽しむべきなのだろう。
途中で気付いたのだが、
以前当ブログでも紹介した、
映画「ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密」は、
もしかしてこの小説を翻案したのかな。
舞台や人物の設定に、
共通点がかなり多い。
あちらは薬瓶のトリックを、
巧妙化したところが見所だったので、
比較してみるのも楽しいかもしれない。