デイヴィッド・J・ハンド 著「『偶然』の統計学」(早川書房)
結びにある、古代ローマのペトロニウスの、

「偶然にはそれなりの理由がある」

という言葉が、
この本の主旨をズバリ表現している。

我々は「ほどよく平均的な」考え方に慣れているため、
たとえばサイコロを10回振って、
10回とも同じ目が出たとしたら、

それはあり得ない、
きっとイカサマに違いない、と思いたくなる。

果たしてそうなのか?

この本では、
一見「とてもあり得なさそうな」事象について、

著者が名づけるところの、
「不可避の法則」「超大数の法則」「選択の法則」「確率てこの法則」、
そして「近いは同じの法則」を用いることで、

それが奇跡でも何でもなく、
まさに起こるべくして起こったのだ、
とうことを説明する。

それらは別にギャンブルに限った話ではなく、
例えば、この宇宙の様々な定数が「ほどよく」調整されていることについて、
それは果たして偶然なのか、

といった、科学的なテーマについても考察を広げていて、
なかなか読み応えがある。

とはいえ、この本を読んだからといって、
ドリームジャンボやWIN5に当たり易くなるわけではないので、
あしからず。