最近、練習前のウォーミングアップに弾いてるのが、これ。

原曲はマルチェロ作曲の「オーボエ協奏曲」で、
それをバッハがクラヴィーア独奏用に編曲、

全体は3楽章からなるのだが、
その第2楽章のアダージョがとりわけ有名となっている。

今から300年ぐらい前の曲なのに、
上の動画のようにムーディな感覚がとても似合う、
不思議な魅力を備えている。

主音の8分音符が6連続する冒頭があって、
右手はそこから一度上がるのだけれど、

左手に再度主音を弾かせることで、
2小節めにしていきなり長二度の緊張感が現われ、

左手が淡々と8分音符を刻む中、
右手はまるで即興のように自由に動き回るというのが、

何とも絶妙な心地よさで、
さすがバッハは、他人の曲をアレンジする場合でも、
目の付け所が違う。

ちなみに原曲は下の動画で、
ちょうど3分あたりからアダージョとなる。

オーボエの素朴な響きも悪くないけど、
やはりピアノの艶っぽい響きの方が、僕は好きかな。

アール・ワイルドも自身の編曲を残しているけれど、
それほど秀逸というわけでもなく、
うーん、これならバッハ版の方がいいかも・・。