久保田 慶一 編「バッハ キーワード事典」(春秋社)
「キーワード事典」というと、
何やらリファレンス的な感覚があるが、

これはそうではない、
正真正銘の読み物。

人物、楽譜、ジャンル、様式、
演奏、楽器、出版、
といった、

バッハを取り巻くあらゆる事柄を、
カテゴリ毎にまとめることで、

伝記の形式では辿り着けない、
バッハ音楽の核心に迫れている。

譜例も豊富だし、
バッハ好きなら、
手元に置いておくべき一冊。

敢えて難を挙げるならば、
あまりに広い範囲をカバーしているため、

若干、個別部分の内容が、
薄くなっている気がすること。

とはいえ、
これは当たり本。