西村 京太郎 作「終着駅(ターミナル)殺人事件」(光文社文庫)
ほんの2、3年前から、
たまにミステリーを読み出すようになり、

当然、西村京太郎の名前も知っていて、
「名探偵が多すぎる」も、
読んだのだけれども、

やはりこの作家といえば、
鉄道モノ、

自分も鉄道の旅とか時刻表とか、
子供の頃から好きではあったので、

さて、どれから読もうかと悩んだ末、
調べてみて評価の高かった、
この「終着駅(ターミナル)殺人事件」を、
読んでみることにした。

上野駅の、
都内の他のターミナルとは異なる、
独特の空気感、

そこに吸い寄せられた津軽出身の男女七人、
そして彼らを乗せる夜行列車「ゆうづる」。

舞台設定は、悪くない。

その男女七人が次々に殺されていくストーリーも、
嫌いじゃない。

でも、何か物足りない、
というのが、正直な感想。

40年前の作品だから、
というのは、擁護にはならず、

文章の味気なさも、
まぁ、許せるレベルなのだが、

やはりトリックかなぁ。

「ゆうづる5号」と「ゆうづる7号」の違い、
というのが、
この作品のキモなのだけれども、

さすがにそこを、
警察が見落とすのは不自然だし、

あとは殺人の動機と手法がな、、、

そんなことで6人も殺さないだろ!
って思うし、

本気で人を殺すなら、
もっとバレない方法はいくらでもあるだろうし、

殺される側も、
そんなに相手をあっさり信じないだろうし、

まぁ、色々とツッコミ処が多かった。

西村京太郎といえば、
火曜サスペンス(?)とかで、
頻繁にドラマ化されていた印象だけれども、

内容が小難しくなかったり、
人物描写がライトだったり、
ちょっと日本人の琴線に触れる部分があったり、

そういう部分がウケるんだろうな、
と納得はいったものの、

あらためて別の作品を読んでみよう、
というレベルではなかった。