八海山 粕取り焼酎 宜有千萬
思えば2020年は、
3月からずっと自宅籠もりだったので、

いつもより早く、
夕方から家で飲み始める、
なんてことも多かった。

夏場に失敗したのは、
ストロングゼロ系の缶チューハイがクセになってしまい、
体重が急増、

これはアカン!と思い、
替わりにハマり込んだのが泡盛だった。

ただ、旨い泡盛が近所では売っておらず、
通販で頼むたびに、

ゆうパックのご年配の配達員の方が、
息を切らしながら一升瓶を運んでくるのも、
何となく申し訳ない気もして、

泡盛の代用として飲んでいたのが、
米焼酎だった。

基本的には、
泡盛を切らしたときの「代打」なわけだが、

米焼酎も泡盛同様、
近所では扱っている銘柄が限られており、

定番中の定番、「しろ」を、
ひたすら飲む感じであった。

まぁ正月ぐらいは良いものを味わってやろうと思い、
720mlで4,000円越えという、
破格なやつを買ってみたのが、これ。

日本酒で有名な八海醸造社による米焼酎といえば、
「オーク樽貯蔵 風媒花」と、
そして「よろしく千萬あるべし」を紹介済みだが、
これは後者のハイグレード版的な位置づけ。

「粕取り焼酎」というのが特徴で、
これは日本酒を造るときに生じる「酒粕」を、
原料にした焼酎のこと。
(昔の粗悪な「カストリ焼酎」とは別物)

味はといえば、
もし何も知らずにこれを飲めば、
日本酒かと勘違いするぐらいに、
日本酒に似ている。

なので、日本酒が好きな人には良いのだけれど、
日本酒を卒業して蒸留酒に切り替えた自分としては、
ちょっとこれは想定外というか、
「普段飲み」には向かないというのが、
正直な感想かな。

勿論、香りも味も、
非常に滑らかで洗練されており、
高級品であることは間違いなく、

普段日本酒を飲み慣れている人にはオススメだが、
僕のように、泡盛や焼酎のもつ「キレ・クセ」を求める人には、
マイナス評価になってしまうだろう。

辛辣を表現をするのなら、
あまりにも洗練されすぎていて、
スピリッツ本来のワイルドさを、
見失ってしまったというような。

ということで2021年は、
配達員の方には申し訳ないが、
やはり泡盛でいこうと思っている。