チョン・ミョンソプ 作「記憶書店 殺人者を待つ空間」(講談社)
古書をテーマにした、
韓国のミステリーということで、
興味本位で読んでみた。

ストーリーは、
以下の通り。

連続殺人鬼に妻と娘を殺され、
自らも大怪我を負った大学教授が、

犯人をおびき出し復讐するために、
15年かけて、古書店をオープンする。

なぜならば、
事件の現場に犯人が残したのは、
珍しい古書であり、

自らがメディアで有名になり、
古書店をオープンすることで、

犯人は必ず現れる、
と踏んだからだ。

予想通り、来店者の中には、
犯人と疑われるものが、
数人いた。

そこからは、
誰が犯人であるかを突き止めることとなり、

この部分が、
ストーリーのメインとなる。

そして最後は、
意外な人物が犯人であることが、
読者に明かされ、

主人公と犯人による対決で、
クライマックスを迎える。

文章の読み応えはイマイチ、
ミステリーとしても、
まぁまぁという程度で、

どちらかというと、
猟奇的部分が目立つ小説ではあるが、

古書店が舞台、
というプロットは、
それなりに面白い。

特に犯人への復讐のために、
主人公が古書店に仕掛けた「罠」が、
残酷ながらもカタルシスが強く、

内容の割には、
暗い気分にならなくて済む。

ただ、
サクサクと数時間で読めるわりに、
kindleでも2,000円以上するという、
このコスパをどう捉えるか。

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