2021年、UKのドラマ映画。
なぜレストランを舞台にした作品に、
惹かれるのかを考えてみると、
「客・ホール係・料理人」
という、3者3様の立場を設定しやすいこと、
レストランという非日常空間における、
特殊なドラマを、
複数並行して描きやすいこと、
料理を目で楽しめるという、
ビジュアル効果があること、
ざっと考えてもこれだけあるので、
まぁ、鉄板なのです。
特に外食好きの自分としては、
まさに「大好物」の設定といっていい。
また、先に言ってしまうと、
本作品は90分間全編、
ワンショット・ノー編集で撮影されたとのことで、
つまり、レストラン開店からの90分間が、
そのままストーリーになっているわけで、
まさに「レストラン内での同時性」を、
リアルに感じられる作品になっている。
さて、この映画。
主人公のシェフは、
過労や家庭の問題から、
アルコールやドラッグに溺れてしまい、
仕入れや仕込みなどもままならず、
衛生局からも、店の管理状態について、
大減点を喰らってしまう。
当然ながら、スタッフにも、
フラストレーションが溜まっており、
まさに一触即発の緊張感を抱えたまま、
クリスマスの夜という、
1年で最も忙しい夜がやってくる。
陽気な女性グループや、
文句の多いファミリー、
婚約祝いのカップルに、
シェフの元上司と料理評論家など、
様々な客に接しながら、
ホールと厨房もバトルを繰り広げる。
正直料理については、
リアルさを追究したためか、
それほど目の保養になったわけじゃないけれど、
とにかくレストラン内での人間模様が、
一瞬も飽きさせない、
これはなかなかの逸品でした。
ただひとつだけ難癖をつけるならば、
最後の最後がちょっと投槍だったかも。。
適正価格(劇場換算):1,900円