1999年、USのサスペンス・スリラー映画。
主人公のマイケルは、
テロリズムを中心とした米国史を、
大学で教えている。
ある日、大怪我を負った、
向いの家の子供を助け、
それがきっかけに、
「お向かいさん」との交流が始まる。
最初の30分は、
2つの家庭の交流を描いた、
ほのぼのとしたドラマ。
しかし、ふとしたことがきっかけで、
マイケルは、「お向かいさん」が、
かつて少年時代に、
爆弾製造犯として、
逮捕されていたことを知る。
そして「お向かいさん」が、
実は過去だけでなく、
今もなおテロを企てているかも、、
と疑念を持ったマイケルは、
独自に調査をし、
「お向かいさん」の正体を暴くのだが…
プロットはもちろん、
ディテールまで、
かなり良く作り込まれており、
これはもう、傑作でしょう。
家族を守ろうとする主人公、
そして冷徹にテロを実行する犯人、
両者の必死の駆け引きと、
細かなトリック、
そしてご近所同士が、
お互いを疑うという緊張感、
いやぁ、目が離せません。
最初はご近所さんの交流を描く、
フツーのドラマだと思わせて、
ドンデン返しありの、
ハラハラアクション、
という落差も、
この作品の魅力でしょう。
「隣は何をする人ぞ」
的な意味では、
あの『ローズマリーの赤ちゃん』
をちょっと彷彿させるかも。
最後は、
よくあるご都合主義ではなく、
意外な形で終わるのだけれども、
敢えて難癖をつけるならば、
犯人の動機がイマイチはっきりしないため、
ともすると、
テロを礼賛しているように、
思えるかもしれない、ということ。
そしてこれって、
あのアメリカ同時多発テロ事件よりも、
前の作品なんですよね。
映画として優れているのは、
確かにその通りなんだけれど、
今だとなかなか、
こういう映画は認可されないのかも…。
ともあれ、
これはめっけもんでした。
素直に、ゲキ推しです。
適正価格(劇場換算):3,000円