雪中梅 雪中貯蔵 純米原酒

薄暮れや 喉にしみ入る 雪中梅

冷酒には、
夏のまだ明るい夕暮れ時が似合う。

とはいえ、
ビールや白ワインのように、

誰かとおしゃべりしながら陽気に、
という感じでもなく、

かといって、
焼酎のロックのようなハードさもなく、

なんだろう、
敢えて言うなら「古き良き、日本の夏」的な、

それが冷酒の魅力である。

数年前から、糖質の多い酒、
すなわち、ビール、白ワイン、日本酒は、
「普段飲み」はしないことにしているが、

年に数回、どうしても飲みたいときや、
いただき物をしたときなどは、
思い切って楽しむことにしている。

このたび、
わざわざ上越からいただいたこの酒は、

地元を代表する「雪中梅」を、
雪室で3ヶ月以上の低温熟成したもの。

雪中梅は、
日本酒の中でも特に甘いという印象だったのだが、

これはかなりすっきりめで、
後味の余韻も良く、

まさにこの時期に冷やして飲むには、
うってつけの酒である。

本当はエアコンなどない真夏の部屋で、
蝉の声でも聞きつつ、
雪室の涼感を想像しながらいただく、

というのが風流なのだろうが、
どうやらそれまでもちそうにもない。

ちなみに冒頭の句は、
いうまでもなく芭蕉翁のパロディであるが、

「薄暮れ(うすぐれ)」を、
夏の季語として置いてみたものの、

「雪中梅」を文字通りに取ると、
春の季語なのかしら、、と思ったり。

まぁそんなことは、どうでもいいや。