1983年のアメリカ映画。
クローネンバーグ監督というと、
『ザ・フライ』の印象が強すぎるが、
こういうドラマ色の強い作品も、
あるのだなぁ、と。
主役は、クリストファー・ウォーケン。
現在の「おじいちゃん俳優」(失礼)としては、
個人的には一位、二位を争う存在で、
『25年目の弦楽四重奏』での、
衰えたチェリストの演技が強烈だったわけだけれども、
そんな彼の、
若かりし日の演技を堪能できる。
ストーリーは、以下のとおり。
交通事故にあった主人公が、
5年間の昏睡の末、意識を取り戻したところ、
触れた人の過去や未来を、
見透かすことができるという、
特殊能力を身に着けていることに気付く。
その特殊能力が、
世間で噂になることに困惑しながらも、
良きことに使おうとしてゆく彼であったが、
あるとき、
とある上院議員候補の未来を見てしまったことで、
人生を踏み誤ってしまう。
特殊能力という設定が、
現実離れしているものの、
それ以外については、
極めて日常的なトピックスを扱っており、
サスペンス・スリラーというよりも、
ドラマ色の方が強い。
主人公が、
自身に備わった特殊能力に悩みながら、
最後はそれを、
世の中のために使うという決意するのが、
この映画の見どころ。
絶賛するほどではないが、
まぁ、40年前の映画と考えれば、
悪い出来ではないかな。
適正価格(劇場換算):1,400円